2017年、コワーキングスペースのスタッフとして私が考えたこと

こんにちは。まずこちらは「コワーキングスペース運営者限定 アドベントカレンダー 2017」の14日目の記事として書いています。
昨日は、新宿区立高田馬場創業支援センターの管理者をされている有限会社そーほっと「Kenichiro Tanaka」さんの「公的なインキュベーション施設などの状況から見た、シェアするワークスペースの環境変化について」 でした。
コワーキング アドベントカレンダーには、2016年から参加させていただいております。
・「2016年、コワーキングスペースのスタッフとして働いていた時に意識したこと」
コワーキングスペースで働くスタッフとして、2017年を振り返りました。その中で、今年は私が考えたことについて記事にしたいと思います。
「今の対応で、本当によかったの?」自分の対応に迷いが生じ始めた
早いもので、2017年12月でコワーキングスペースで働き始めて2年8ヶ月となりました。これも、あたたかい会員さま、一緒に働いている学生スタッフ、運営元の代表と社員の皆さんのおかげです。
今日までの間、職種や年代を問わずに様々な方が利用されていることと、利用者がそれぞれ自分のペースで作業をされている様子をみて、自由度の高いコワーキングスペースのことが私はもっと好きになりました。
また、スタッフへの研修をはじめ、任せていただくことも多くなりやりがいを感じています。しかしそれと同時に、会員さま、利用してくださった方へ「今の私のこの対応方法は、本当によかったのか?」と迷うことも多くなりました。
例えば、新しい会員さまが入会されたとき。
会員登録をいただいた際に「せっかく会員になってくださったので、たくさん交流していただかないと!」と思い、できるだけ多く既存会員さまに紹介をしていました。新しい会員さまと既存会員さまがお話されているところを見て「よかった」と初めは満足をしていましたが、続けて紹介をしていく途中で、新しい会員さまの表情から違和感を感じました。
私のあの時の対応は「本当にあれでよかったの?」。自分の対応方法に迷いが生じ始めました。
ちょうどその頃、学生時代の友人と再会することになり、東京へ出かけることに。
「そうだ、このタイミングを生かして東京のコワーキングスペースを少しまわろう。」
名古屋と東京のコワーキングスペースの違いを知りたい、という考えもありましたが、本音をいうと、この違和感の答えとなるヒントを求めていました。対応の方法に、正解がないということもわかっています。だけど迷いの中にいた私には、何かヒントとなる、"新しい発見"に触れることを必要としていました。
東京のコワーキングスペースの中から
運営元の代表はイベントのため、全国のコワーキングスペースをまわっています。
そこで、東京にあるオススメのコワーキングスペースを教えてもらい、さらにその中から代表の計らいにより、コワーキングスペース茅場町 Co-Edoの運営代表 田中さんとお話できる機会をいただけました。いちスタッフの私が運営代表の方とお話できることは、とてもありがたく、貴重な時間となりました。(田中さん、ありがとうございます!)
コワーキングスペース茅場町 Co-Edoを運営されている田中さんと話して、気づけたこと
コワーキングスペースで働いていて迷った時のこと、悩んでいたことについて、田中さんはCo-Edo流のやり方に沿って、ひとつひとつ答えてくださいました。
ベースキャンプ名古屋と同じような対応の仕方もあり、共感できることもたくさんあって「私の考え方は、もしかしたらそんなに間違っていなかったかも…」と安心したことを今でも覚えています。
そして、ずっと引っかかっており違和感を感じていた、新しい会員さまへの対応について田中さんへ相談をしたところ、このような答えをいただきました。
「そうだなぁ。みんながみんな、盛んに交流をしたいわけではないと思うんだ。でも、コワーキングスペースを選ぶ人は、潜在的に交流を求めている人が多い。だから、運営側の僕たちはその交流ができるきっかけ作り、土台作りをいろんなところに作っておけばいいよ。」
コワーキングスペースに求めるものは、それぞれ違うということ。
盛んな交流を求めている人もいれば、仕事メインでほどよい交流を求めている人、集中して仕事ができる場所としてコワーキングスペースを求めている人。
新しい会員さまに対して私は「コワーキングスペースの月額会員になる人なのだから、盛んな交流を求めているはず」という先入観のもと、勝手に突き進んでしまっていたのです。
そんなに交流を求めていなかったのに、私がどんどんと既存会員さまの紹介を推し進めてしまったから、あの会員さまは少し戸惑ったような表情をされていたんだ。その時に、やっと気付くことができました。
また、会員さまへの繋げる方法についてもアドバイスをいただきました。
「例えばCo-Edoだったら、毎日、何かしらのイベントが開催されている。だから、新しい会員さんと話をしている流れで『◯◯に興味あるんですね〜。そういえば、今度こういうイベントをやるんですよ』と紹介をする。イベントにさえ参加してもらえれば、後はみんな自然と交流をして、繋がっていくから。」
その後の心境の変化と、これからについて
まずは気張って会員さまを紹介をせずに、良い意味で、良い力加減になりました(笑)
「仕事ができる場所を探している」という方には、スペースのことや利用方法を特にしっかりと説明をする。説明が充分ではないと、その都度、会員さまが私たちに質問される時間がもったいないな、と思ったからです。
「イベントに興味がある」という方には、毎月、開催されているイベントのことを中心にお話して、他の会員さまのことや交流にご興味がありそうな方には、会員さまの紹介を中心にお話するようにしています。それぞれコワーキングスペースに求めていらっしゃることに応じて、対応を分けるようにしました。
対応を分けたことで、新しい会員さまの状況がどう変化したのか…についてはまだ報告するに至らないのですが、続けていくことで良い方向へ繋がっていけたら、と考えています。
また、Co-Edoさんのような「自然と交流ができる」きっかけ作り、土台作りは、思うようにまだ出来ておりません…。ただ毎月、定期的に開催をしているイベントがあるので、もっと参加していただけるような、参加しやすいような導線と案内の方法を考えて、トライアンドエラーを繰り返したいと思います。これからの課題です。
他のコワーキングスペース運営者との話を通して、私が考えたこと
コワーキングススペースのスタッフとして、コワーキングスペースを真剣に運営されている方のお話はとても参考になり、「もっと環境をよくしていきたい」という原動力となりました。
今回、田中さんとお話させていただいて、私が考えたことです。
- 他のコワーキングスペースの運営者同士の交流の機会を増やしたい。
- 交流することで刺激にもなる。内容は大きなことではなく、細かい些細なことも相談、意見をもらえる場所があったら参考になる。(例えば、ビジターさまとのコミュニケーションのとりかたなど)
- 自店では普通だと思っているようなことも、他のコワーキングスペースにとっては新しい発見となる可能性も。(もしかしたら、他のコワーキングスペースでは課題となっていたことも、他店からのアドバイスによって最短で解決できることがあるかもしれない)
- 良いと思うところをシェアしていくことで、コワーキングスペース全体が活性化され、サービスが向上していく。
- 例えば、何店舗かコミュニティ(地域などで分類)に属しているコワーキングスペースのスタッフが、時々トレードして働くことができる環境。(他のスタッフが働くことで刺激となり、新しいことも取り入れることができる)
- またそのコミュティに属している何店舗かのコワーキングスペースに、利用者の方もトレード、自由に使えたら、雰囲気も変わり活気が生まれるのではないか。
コワーキングスペース同士が繋がり、プラスとなった考え方や運営の方法を随時シェアしていくことで、もっともっとコワーキングスペースが拡がっていき、さらに「コワーキングスペースを利用すること」と、私のように「コワーキングスペースで働くこと」にも興味を持ってくださる人が増えるのではないか、と考えました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、明日12月15日(金)担当のmunakata.akikoさんへバトンを繋ぎます。どうぞよろしくお願いします!