1月27日(土)にマザーハウスカレッジへ初めて参加してきました。
マザーハウスカレッジとは?
マザーハウスカレッジの理念
「Warm Heart, Cool Head」が新しい挑戦をつくり 新しい可能性をつくり 新しい社会をつくる
情熱を高め合い、その情熱を実現するために必要な思考を鍛え合う場を作りたい。
それがマザーハウスカレッジの原点です。
マザーハウスを通して、「理念」と「ビジネス」の融合の難しさを感じてきました。
そして、情熱が与えてくれる目標と現実の葛藤に苦しむこともありました。
そうした思いを多くの方と共有するうちに、同じような苦しみを持って頑張っている人がたくさんいることを知りました。
社会に新しい価値を生み出すことは、情熱だけでは叶いません。
一方で、ロジックだけでも空虚なものとなってしまいます。
皆さんと共に、思いを高めていく。一緒に学んでいく。
マザーハウスカレッジがそんな場所になったらと強く思っています。
(MOTHERHOUSE マザーハウス サイトより引用)
開催の1週間前にたまたまマザーハウス星が丘テラス店へ行き、こちらのイベントのことを知りました。1/27(土)のゲストは、マザーハウスの代表 山口絵理子さん。
一人で途上国へ行き、その国でしか生産できないものを作り、そして雇用も生み出している山口さん。彼女の話をこの名古屋で直接聞けることはめったにないのではないか、と思い、すぐに参加の申し込みをしました。
当日の様子
副社長の山崎大祐さんが司会進行。開演前から注意事項や、星が丘テラス店進出までの道のりなどを話していただきました。
会場には星が丘テラス店のスタッフの方が5名ほどいて、常連のお客様何名かと挨拶されたり、楽しそうにお話されていました。マザーハウスのお客様との関係性を知ることができたような気がします。
開演後すぐに、上手から山口さんが登場です。大学の先輩だった山崎さんと後輩の山口さんの対談は、すごく自然体でした。
学生時代からこんなふうに、お話をされていたのだろうな。卒業してからのも、きっとこんなふうに会話をされているのだろうな。そんなお2人の姿が想像できるくらい、かけあいもテンポも自然でした。
代表の山口さんは、少女のような笑顔で熱く語る人
代表の山口さんは1年の半分以上、海外で過ごしているいるそうです。
工場のあるバングラデシュやネパールのスタッフの話をするときは、本当に楽しそうで、少女のようで、その笑顔に釘づけになってしまいました。各国のことが、人が、好きなのだなぁと。
長くて濃い、質疑応答の時間
山口さんの人生バイオリズムの表。山口さんの手書きです。
マザーハウスカレッジでは、”質疑応答の時間”を長く設けているとのことです。
参加者の方からの質問も、山口さん、山崎さんの回答も気づくことが多く、そして勇気をもらいました。印象に残った言葉を載せていきたいと思います。
◼︎「ゼロになる勇気」ゼロになる、始められること
山口さんの言葉。
マザーハウスが創業して13年。だけど13年やっていても、いつも、まっさらな気持ちでゼロになる勇気を持っている。また代表取締役という役職を考えると、人事や管理などの仕事が主になってくるが、海外へ行き、ゼロから始められることをやらせてもらえている会社とこの環境にも、感謝をしている。
→長く続けていると、プライドや考えかたが固まってきてしまう。そのことに気づき、意識して「ゼロにする」ということが大切なのだなぁ、と。柔軟になっているつもりでも、きっとまだ凝り固まっているところが私は多いと思う。
◼︎若い世代に必要な力、伝えたいことは何ですか?
高校生のお子さんと一緒に参加されたお父さまからの質問。
(山口さん)
今の若い子は「自分のレベルはこれぐらいなので」と言っていることが多い。自分レベルを見限ってしまうのは、もったいない。そんなに器用にならなくていい。好きなことを見つけて、ノリノリで、フットワークを軽く。
→これは大人の私にも当てはまること。新しいことへの挑戦に臆病になっていっているように思う。以前、堀江 貴文さんの著書ゼロという本でも、チャンスを掴むためには「ノリのよさ」からはじまると書いてあった。
◼︎言葉で伝えるには、限界がある。
だから時間を共にする、現場にいること。どうしても誤解を招くから。
山口さんの言葉。彼女が1年の半分以上を海外で過ごしている理由は、工場のスタッフたちと一緒に過ごす時間が大切だから、とのこと。現場でしか分からないことがある。非常事態宣言がでた時もあったが、帰国せずに、そこに張りつく覚悟でやってこられたそう。最初の教育では、山口さん自身が自ら動いて背中を見てもらうようにされていたとか。
→「限界がある」という言葉にハッとした。伝え続けることも大切だが、それだけではやはり伝わりきらないことがあるのだ。共に過ごす時間が長いことで、気づけることがある。わかることがある。あらためて気づかされた。
◼︎「結果」のオリジナリティを求めず、「プロセス」のオリジナリティを大切にしている。
(山崎さん)
そうすれば、自然と結果も「オリジナル」となる。
◼︎プロセスを見せない美学について。パーフェクトになってから飛ぼうとしている。
(山口さん)
これってどうなんだろう?伝えていった方が勇気になるし、言葉にした方が助けてくれる人たちがいる。
→私も努力しているところ、プロセスを見せるのが苦手なタイプ。もちろんそれが美学と思っていた部分もあるけれど、その努力していたことがちゃんとした結果となり、成果のあるカタチとなっていなければいけないと思っていたからだと思う。
言葉で伝えていったことによって、他者へ何かしらの結果を見せなければいけない、と意味のないプレッシャーを自分で勝手に課してしまっていたのだ。それが実現できなかった時のことが怖いから、見せることも伝えていくこともしなかっのではないか、と考えている。
だけど言葉で伝えて、発信していった方が、力になってくれる人と繋がれるし、自分へのやる気と自信にもつながる。山崎さん、山口さんのおっしゃる通りだと思う。
◼︎落ち込んだ時に、なかなか切り替えができない。行動力が素晴らしい山口さんは、どうしても落ち込んだ時はどうされているのか?
参加者の方からの質問。
(山口さん)
人間のバイオリズムに任せて立ち上がっていけばいい、と思っている。
人間の底力はすごい。1か月後、数ヶ月後でもいい。そういう自分を褒めてあげていい。
また何かをやりたくなった時に、やればいいと思う。自分のペースで。決してずっと下にいるわけではないから。
→落ち込んだ時にこそ、無理やりでも前を向こうとか、気分をあげていこうとなりがちだ。だからこの山口さんの言葉には救われた。山口さんお話していたとおり、何もしなくなると、不思議と「あれをやってみたい」という気持ちがふつふつと湧いてくるもの。
無理に前方へ舵をとるのではなく、バイオリズムに任せた立ち上がり方でもいいのだ。
イベントに参加してみて
まずはマザーハウスのことが、もっと好きになりました。
以前は、マザーハウスブランドは「途上国の支援」のイメージが強く、消費者である私たちが購入をすることで支援につながる、という考えをもっていました。
しかし、山口さんと山崎さんは「ひとつのバックブランドとして、お客様に寄り添う商品を作っていきたい」とおっしゃっていました。
途上国ブランドというのは、ひとつの価値であると思います。だけど、「途上国で作られた製品だから」という視点だけで、私は”マザーハウス”というブランドを色濃く見ていたのかもしれない、と気づきました。
作り手の方の想い、考え方を知るということは、心が揺さぶられるものがあります。
デザインへのこだわり、「途上国からもっと素晴らしい商品をお客さまへ届けたい」という、途上国と真剣に向き合う山口さんが語られる言葉に、時々、目頭が熱くなってしまいました。
もしマザーハウスが好き、もしくは興味があって、偶然にも山口さんと山崎さんのお話を聞けるチャンスがあったならば、ぜひ参加していただきたいです。前よりもマザーハウスのことが好きになって、私のように新しい気づきがあるかもしれません。
後日、山口絵里子さんのコラムを読んで
私がマザーハウスをさらに好きになったのは、きっとマザーハウスを作ったのが"山口さんだから"。彼女の考え方と、繊細で人間らしいところに共感したからだと思います。
『山口絵理子の日々思うこと 』
・お兄ちゃん。